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建築論ワークショップ

「建築論ワークショップ」は、建築論研究を専門とする研究者が集う学術交流の場です。日本の建築学は工学に属しているため実用的研究が主流を占めています。しかしながら、建築物の建設にあたっては、人間や社会、風土や自然、さらには人間を越えた存在に対する深い理解が必要とされてきました。そして建築家や理論家、批評家や歴史家たちは、それらを建築論としてあるいは建築哲学として語ってきました。見方を変えるなら、そうした建築論を披露する場がアカデミズムに、あるいはジャーナリズムに存在したのです。

しかし、近年、学術雑誌は業績獲得の手段となり、ややもすると研究のための研究へと傾きがちで、研究を動機づける問題意識や建築観などを語る骨太の議論はなかなか投稿できません。こうした傾向は建築学にかぎらず、人文学にも広がっているように思われます。思想を語る言論空間が縮小しつつあります。

とはいえ、人類という存在自体の問い直しが迫られている今日、建築という人間の本源的営みを根本的に考える建築論はますます要請されています。「建築論ワークショップ」はこうした大きな理念のもとに、各自の個別研究を発表し、自由でリベラルな議論を行っています。

 

開催記録

 第3回 ワークショップ「都市論への挑戦」

 日時:2019年6月23日(日) 13:00 ~ 17:30

 場所:京都大学吉田キャンパス 総合9号館 W404室

 発表:

 門間光(京都大学)

 「増田研究室による万博計画(1966)について」

 下川勇(福井工業大学)

 「都市の現場から都市論へ ―― 都市の課題は都市論の課題になり得るか」

 千代章一郎(島根大学)

 「都市への愛着」

 田中明(武庫川女子大学)

 「集合的主体の(建築)制作論 〈発問〉

  ―― 近畿地方における大都市周辺地域の近代市街化形成をつうじて ─」

 中村景月(京都大学)

 「京都東九条における都市組織の密集化と空隙化 ―― 土地の利用と所有からみた都市の動態」

 松本裕(大阪産業大学)

 「都市の建築論 ―― 他者性、場所性をめぐって」

 エリック・ルフェーブル(大阪産業大学)

 「都市の満ち引き ―― 大阪北河内の変遷(耕地化・工業化・宅地化)を巡るGIS解析」

 

 第2回 ワークショップ

 日時:2018年2月17日(土)14:00 ~ 17:30

 場所:京都大学桂キャンパス C2棟 213室

 発表:

 田路貴浩(京都大学)「生活圏研究の構築に向けて」

 市川秀和(福井工業大学)「増田友也『ethnosの風景』について」

 中村景月(京都大学)「京都東九条における密集化とスポンジ化」

 コメンテーター:

 松本裕(大阪産業大)、下川勇(福井工業大)

 

 第1回 ワークショップ

 日時:2017年11月12日(日)13:00 ~ 16:30

 場所:京都大学吉田キャンパス 総合9号館 W404室

 テーマ:1)建築論研究とは何か

     2)これからの建築論研究をどうするか

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